Malignant deep brain stimulator withdrawal syndrome
(BMJ Case Report)
BMJ Case Rep 2019;12:e229122
DOI:10.1136/bcr-2018-229122
脳深部刺激療法(DBS)施行中のパーキンソン病(PD)患者に発症した悪性症候群です.非常に稀な病態と思います.DBSの電池切れは,調べようとしなければ気づかないので,このような症例があることを知っておくのは重要かもしれませんね.
過去にも症例は報告されているようです.
ちなみに,PDでの悪性高熱症は”Parkinsonism-hyperpyrexia syndrome (PHS)”という名称を使うようです.知りませんでした.
症例
67歳 女性
[現病歴]
1991年にPDと診断され,レボドパ/カルビドパ,プラミペキソールで治療した.
症状コントロール不良となり,2007年にDBS(両側視床下核刺激)を留置した.運その後7年は良好にコントロールされた.電池交換はしていない.
2014年に,3日間続く39℃の発熱,意識障害,経口摂取困難,尿量低下で受診.(抗精神病薬投与や抗パ薬中断などはなかった)
[身体所見]
体温38.5℃,心拍数110bpm,血圧180/77mmHg,呼吸数18回/運,SpO2 90%(室内気).傾眠で,痛み刺激で反応しない.発汗,高度脱水,軽度呼吸不全もみられた.
[検査所見]
Cr 123 μml//L,Na 157 mmol/L,CK 1,015 U/L,WBC 12,600 /μL,CRP 1.6 mg/dL.CMVやEBV検査は陰性.TSH,カルシウム,アンモニア,肝酵素,ビタミンB12は正常範囲.
髄液検査は,培養やウイルスPCR含め異常なし.
レントゲンでは両側肺底部に無気肺.CTでは感染巣を認めず.